脱原発福島ネットワークより市民のみなさんへ
2003年9月30日、
福島県知事宛と原子力安全・保安院長宛の
要請書を提出しました。
●申し入れで判明した問題点など
1 定期検査判定基準(再循環系配管の母管部材厚40mmからすると、
13mmまでのキズ=ひび割れは許容するという基準)
について、福島県も保安院福島第一検察官も、
その存在を8月11日の県の質問に対する保安院の回答を受けるまで知らなかった。
2 福島二3号・B 661-101-F08は、第5回定期検査で 52mmという数値が出ており、
定期検査判定基準を越えるにもかかわらず、『異常なし=良』となっている。
3 同じ福島二3号・B 661-101-F08は、第11回自主点検でキズが299mmまで進展
しており、保安院の進展評価をはるかに超えている。深さもUT4.0mmに対し実測値は
7.5mmだった。
このように全くでたらめなことが、依然まかり通っています。
維持基準は凍結以外ありません!
福島県と保安院福島第一には、2と3の解明を強く求めました。
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福島県知事 2003年9月30日
佐藤 栄佐久 殿
定期検査判定基準問題と「維持基準」凍結等に関する要望書
日頃の原子力行政に対する御努力に敬意を表します。
現在、経済産業省と原子力安全・保安院は、
原子力発電所のひび割れ運転のために
「維持基準」の10月施行を強行しようとしています。
しかし、保安院は、ひび割れの検査精度が不十分なため、
SUS316LC系再循環配管をひび割れの測定精度が未確認として、
10月からの維持基準の導入の対象外にしました。
保安院は、肝心のSUS316LC材の応力腐食割れ(SCC)の
発生・進展メカニズムの解析のため、ようやく予算要求をおこない、
今後4年間で実施するというのが実態です。
このように、安全上重要な原子炉冷却材圧力バウンダリーである
再循環系配管のひび割れ問題は、依然として解明されておりません。
これまでわたしたちは東京電力に対し、安全の前提である再循環系配管継手やシュ
ラウドの全溶接線の点検を、執拗に求めてきました。
とりわけ、保安院が再循環系配管の点検を五年以内に点検した箇所は検査の必要な
しとしている「5年ルール」をやめ、追加点検を求めてきました。
これは福島第二原発3号機で、五年以内でも42ヶ所のひびが発見されていることか
らも当然の要求でしたが、東京電力は9月9日ようやく「五年以内も追加点検する」
と発表しました。
さて、再循環系配管の点検では、
東京電力の自主検査でひび割れが発見されているにもかかわらず、
同じ配管の継手で、国の定期検査の検査結果はいつも『異常なし=良』でした。
このため、私たちは、東京電力と保安院に対し再三、検査記録の公開や
定期検査の疑惑解明を求めてきましたが、東京電力や保安院の説明は、
検査方法の感度が異なるためというものでした。
ところが、福島第一原発3号機の安全確認に関し、
福島県が「良とは配管のひび割れ等の欠陥が全くないということか、
検査結果の判定基準は」と質問したのに対して、欠陥の有無には応えず、
「溶接省令及びその解説に定められた判定基準に従って判定する。
具体的には、超音波探傷試験の指示が検出されず、
又は指示が一定の長さ以下の場合は、異常なしと判定される」と回答し、
「指示が一定の長さ以下」とは「DAC100%超の長さが板厚の1/3の場合である」
としました。
これは、再循環系配管の母管部材厚40mmからすると、
13mmまでのキズ=ひび割れは許容するという基準です。
福島県民は、このようなキズを認める判定基準の存在を知りませんでした。
不正発覚以来一年が過ぎ、これだけ再循環系配管のひび割れが問題になったにもかか
わらず、
保安院や東京電力からこの判定基準は一切説明されておりません。
それどころか、不正発覚以降、
東京電力の社長は『どんな小さなひびもあってはならない』とされてきたことが
不正を生んだと説明してきたのです。
東京電力の社長は、明らかに嘘を言い、経済産業省と保安院は、これを隠し、
不正の公表に乗じて、維持基準の法制化を図ったということに他なりません。
国が法定検査でこの基準を運用していたことは、
維持基準を一部先取りしていたということになります。
これは、福島県と福島県民をないがしろにした、許されざる行為です。
この事実によって、福島県民と国・事業者の信頼関係は、今また傷つけられました。
貴職が再三にわたり、導入慎重論を述べられているとおり、
このような維持基準導入-ひび割れ運転は到底容認できません。
福島県におかれては十分精査の上、
原子炉の安全と県民の安心の確保ために万全を期すよう、以下のとおり要望いたしま
す。
記
1、原子力安全・保安院に対し、福島原発における再循環系配管の超音波探傷試験の
「指示が一定の長さ以下」で「良」とした定期検査記録を全て公開するよう求める
こと。
2、原子力安全・保安院に対し、福島原発における再循環系配管の「電力の自主点検」
でひび割れを確認しながら「国の定期検査」で「異常なし」とした部位、福島第一
原発3号機A系FWRSA-2・B系FWRS1-B-2、福島第一原発1号機A系1-W-02、
福島第一原発4号機A系1-FW-13、福島第一原発5号機B系W-R5-B3-13、福島
第二原発3号機A系661-101-F05、福島第二原発3号機B系661-B06-S02、福
島第二原発3号機B系661-101-F08の詳細情報を公開するよう求めること。
3、原子力安全・保安院に対し、シュラウドのひび割れ検査は、溶接線以外に検査範
囲を拡大して水平展開するよう求めること。
4、経済産業省と原子力安全・保安院に対し、ひび割れ容認の定期検査判定基準を説
明しないまま導入した「維持基準」を凍結するよう求めること。
5、経済産業省と原子力安全・保安院に対し、SUS316L材の応力腐食割れの発生・進
展メカニズムの解明、進展評価などの信頼性と技術的対策を確立するよう求めること。
6、原子力安全・保安院に対し、応力腐食割れと維持基準など、原子炉の安全規制に
関する市民との公開討論会に応ずるよう求めること。
7、県は、国と東京電力の安全確認を検証する際、プロセス確認の作業にとどまらず、
最低限、定期検査成績書や非破壊検査記録などを照会し原記録の確認を実施すること。
8、県は、県民レベルでの情報公開と安全確認のため、広範な県民参加を保証した仮称
「福島県民原子力情報会議」を設置すること。
9、県は、福島県原子力行政連絡調整会議の専門委員に、原子力に批判的な学識経験
者も含めること。
要望団体
いわきに風を
原発いらない いわき市民の集い
ストップ!プルトニウム・キャンペーン
脱原発ネットワーク・会津
脱原発福島ネットワーク
福島原発30キロ圏ひとの会
連絡先:脱原発福島ネットワーク いわき市鹿島町久保於振1-2
TEL・FAX:0246-58-5570