脱原発福島ネットワークより市民のみなさんへ
東電と保安院は、
圧力制御プールのストレーナー閉塞問題を異物落下対策に問題をすり替え、
福島第一2.4と福島第二・3号機の運転再開を図ろうとしています。
2004年1月20日、脱原発福島ネットワークは、
「圧力制御プールの異物とストレーナー閉塞問題の公開質問書」を
東京電力と原子力安全・保安院に提出しました。
緊急炉心冷却システム(ECCS)用の水源=圧力制御プールが
ECCS作動時にストレーナーが目詰まりを起こして、
水が流れず機能を失うという事態を回避するため、
目詰まり対策と安全評価を求める質問です。
●質問への回答予定日は1月29日(木)、東電と保安院の各機関から回答を受けます。
東 電:午前10時より第一原発サービスホール
保安院:午後1時30分より第一原子力保安検査官事務所
●ふるってご参加ください。参加の際はご一報を。
______________________________________
東京電力株式会社 2004年1月20日
社長 勝俣恒久 様
脱原発福島ネットワーク
TELFAX:0246-58-5570
圧力制御プールの異物とストレーナー閉塞問題の公開質問書
貴社は、昨年、福島第一原発・第二原発の圧力制御プールから、スパナや電動研磨機・シートなど約1000
点の異物を回収したと公表しました。
圧力制御プールは、冷却材喪失事故発生時、格納容器の損傷を防ぐため、高温高圧の蒸気をベント管を通じ
てプールに導き、水に凝縮させて圧力を下げる働きをする一方、緊急炉心冷却システム(ECCS)用の水源と
いう重要な機能があります。冷却材喪失事故発生時は、水をECCS系に送るため、異物が入らないよう濾過す
るストレーナーをへて吸込み口から吸引されます。
米国原子力規制委員会(NRC)が1979年以来警告する「ストレーナー閉塞問題」は、配管破断による冷却
材喪失事故発生時、アスベストなど配管の保温材が破壊され、これらがストレーナーに吸いこまれた際、
ECCSの水の流れをふさぎ、その系統のECCSの機能が失われるものです。 1992年スウェーデンのバルゼベッ
ク原発2号機で、蒸気逃し安全弁が誤って開きっぱなしとなり、蒸気放出により大量の保温材が圧力抑制プール
に運ばれ、5つのストレーナーのうち2つを塞いでしまい、1時間に渡り2系統の炉心スプレー機能が失われま
した。同じような事故は、米国のペリー原発とリメリック原発1号機でも発生しました。
これらのストレーナー閉塞事故は、ストレーナーに捉えられた繊維状の物質が層となり、フィルター化する
ことで微粒子を捉えますます閉塞するという現象でした。このためNRCは、1995年、全米のBWR原発のス
トレーナーを大型のものに変更するよう勧告しましたが、対策は未だ進行中です。
日本では、1994年の電力各社の通産省への調査結果報告によると、作業改善策として保温材をアスベス
トから他の金属などに95%変えたことや、プールに異物がないことが定期検査や塗装時の検査で確認されて
いるという理由で、この対策が一切取られていません。さらに、原子力安全・保安院は、2003年9月「原
子炉格納容器圧力抑制室の塗装に関する申告について」において「我が国の原子力発電所ではゴミが水源(圧
力抑制室等)に流入しにくい構造となっていることや保温材の材質が海外プラントと異なる等により、特段の
問題が確認されない」などとしました。
しかし、今回の異物公表によって「異物がない」としたのも、「ゴミが流入しにくい構造」であるのも虚偽
であることが明らかになりました。 今回の異物公表では、一部に保温材も発見されていますが、東京電力の安
全評価では、検査の際に落下したされるプール内で発見された異物の影響しか対象にされていません。
しかし、ECCSの作動は、冷却材喪失事故発生時であり、安全評価はあくまでは事故時を対象としなければなり
ません。NRCのストレーナー大型化変更勧告に従わず、虚偽の理由によりストレーナー閉塞の安全評価を回避し
ている東京電力とそれを追認する保安院には、安全優先の姿勢が感じられません。
依然、東京電力が損傷隠しの対策としてかかげた安全管理の根本的改善が求められています。
必要な対策を講じないまま運転再開することは、県民住民の安全と安心を軽視することで認められません。
この際、以下の通り質問いたしますので、1月23日午前10時より第一原発サービスホールで文書回答され
るよう求めます。
記
1.NRCのストレーナー大型化変更勧告に基づく是正をしないのはなぜか
2.アスベストなど繊維状の保温材を他の保温材に100%変更しないのはなぜか
3.プール浄化装置やストレーナーの改良など必要な措置をとらずに運転再開するのはなぜか
4.現状でストレーナー閉塞の安全評価を行わないのはなぜか
5.安全評価を県・地元、県民に説明しないのはなぜか
以上