★原発のない社会を目指すネットワーキングニュース★

アサツユ ☆2003.06.10 第143号☆


●脱原発福島ネットワーク.アサツユ編集委員会● 
いわき市鹿島町久保於振1-2、TEL.FAX0246-58-5570 
カンパ150円  /郵便振替. 02190-1-11731 佐藤和良 

点検手抜きの福島第一・6号機の再稼動は許されない
  6.20ひび割れ運転反対!市民集会に参加を

●保安院は、福島第1原発6号機の「安全宣言」をしました。同機は6月に運転再開し、首都圏の夏場の電力を確保した後、
9月に停止して定期点検を実施する計画です。安全確保は、点検が前提ですが、まさに本末転倒です。問題を残したまま応
力腐食割れの点検をせず、安全を犠牲にする再稼動は、認められません。これは、県民を不安に陥れる行為です。ひび割れ
を隠すために、点検記録を改ざんしたことが全ての発端だったことを、福島県民は決して忘れません。やましいことがない
なら、点検して安全を保証し県民を安心させるべきです。
●6月3日、ネットワークに対し、県原子力安全対策グループの村田参事は「安全と安心の確保のため、議会・県民の意見を
幅広くきく」とし、「県民の意見の聴く会を今月中に開く」と応えました。ところが、県議会は9日に全員協議会開催し、維
持基準見合わせの県議会意見書も国に無視されたまま、「安全・安心の確保を前提に再開を容認」と集約しました。双葉町長
や保安院、東京電力の話ばかり聞き、県民の声も聞かずに決めたのです。何という議会でしょうか。
●一方、ひび割れ検査記録の疑惑も残っています。福島第一原発3号機の再循環系A系入口付近の溶接部FWRSA-2は、第13
回定期検査時に「電力の自主点検」で長さ161mm、深さ最大8.6mmのひび割れを確認。同じ第13回定期検査時に「国の定
期検査」も実施し「異常なし」と、されています。ひび割れとして国に報告しなければならないのに、意図的に「異常なし」
と隠した可能性があります。保安院は、差異はUTの検査方法の違いだと説明していますが、「国の定期検査」の記録では「異
常なし」でも、実際には深さ10mmを超えるひび割れの可能性があります。問題は検査方法ではなく、「異常なし」とした
「記録」の信頼性です。
●いま国などは「電力危機は福島県のせい」と言わんばかり。よってタカって知事バッシングをしていますが、県民の多数は、
原発のひび割れ運転に不安です。負けてはいられません。知事を励まし、いまこそ、ひび割れ運転反対!の声をあげましょう。
ぜひ、行動をおこしてください。
6.20福島第1原発6号機の点検を!ひび割れ運転反対!市民集会に結集してください。
●「ひび割れ運転反対、点検を!」県民を不安に陥れる福島県議会に抗議を!
  ◎県議会議長 TEL:024-521-7600  FAX:024-521-7965(議会事務局)
●知事に激励と要請!◎県知事 TEL:024-521-7000 FAX:024-521-7900(秘書課)

インフォメーション                             
                  
東京電力交渉・申入れ
   6月13日(金)午前10時 大熊町 第一原発 サービスホール
運転再開に異議あり!福島県民集会
   6月14日(土)午前10時30分 大熊町文化センター
「原発のひび割れ運転反対!市民集会」
   6月20日(金)午後6時30分 いわき市文化センター
東京電力株主総会
   6月26日(木)午前10時 東京、日比谷公会堂


保安院・片山審議官の無責任な福島原発安全宣言
6.3県議会エネルギー政策議員協議会を傍聴して
  
 
                                斉藤 春光

無責任な、保安院片山審議官の福島原発安全宣言は信用できない
 6月3日福島県議会エネルギー政策議員協議会の傍聴と佐藤福島県知事及び県議会議長に対して、福島原発の再稼動問
題について、同原発の安全性の確立と再稼動に関して、県民の合意を得るまで再稼動に応じない様に要請行動を行って来
ました。
 エネルギー政策議員協議会の席上、発言に立った保安院片山審議官は福島原発の安全宣言を行いました。しかし私はこ
の安全宣言を信じる事は出来ません。事故の報告が無い以上事故隠しが有っても、安全宣言自体した事は誤りではない。
此れは去る5月26日国会議員会館の会議室で行はれた全国の、反(脱)原発市民団体との原発の安全性についての会談上で
の保安院審議官発言です。この審議官は、全国の原発に発生していた再循環系配管ひび割れの危険性と、この事の事故隠
しを見抜けなかった事に対して何の反省も無い。この無責任な人の安全宣言等、到底信じるわけにはいかない。

何の確証も無い、十分な定期点検期間の確保
 東京電力は定期点検の短縮を推進しているが、安全性を確保する為の必要条件である十分な点検期間の確保に関して、
東京電力から何らかの確証は有るのか?と言う質問に岩本双葉町長は、何らかの約束の様な言質を得たわけではないと答
えました。

主観的、非合理的な福島第一原発六号機の安全宣言
 保安院は、福島第一原発六号機の再循環配管の継手部分を全量点検しない理由として、応力腐食割れ対策済みの材料を
使用している事を理由としていますが、これ等の電力対策は破綻しています。SUS316LC材にひび割れが発生し、
そのメカニズムは解明されていません。又ひび割れ進展予測の根幹を成す超音波測定器の精度は確保されていません。

公開討論会実現のため、県と議会に県民の声を届けよう
 6月3日の議員協議会では、第一原発六号機の保安院の再稼動について疑問の声が数多く上がりました。しかし翌日の
朝刊では、佐藤県知事の意向、「県民の意見を聴く会」の開催に対して、3日の県議会各派代表者会議の席上「議会軽視
だ」との声が有り議長は、会派の声を県知事に届けるとしています。議会は原発再稼動問題を、県議会内の論議で済まそ
うとする動向が在るようです。広範な県民の意思を、原発再稼動問題に反映させるには公開討論会が絶対必要です。この
事を県民の声として議会と知事に届けよう。

  情報公開も安全性も視界不良…5.22東電交渉
 今回の交渉の一つ目は、5・13公開質問状への解答で、二つ目は応力腐食割れ等の原子炉安全対策と、安全性に対する、
公開討論会の申し入れでした。
 今回も又、東電は、文書解答ではなく、参加者各自に配付した、一枚の資料を使っての、質疑応答で済まそうとした。此
れでは住民に対して情報の公開を推進しているとは認める事は出来ません。もう一つの驚くべき事実は、福島原発が発表し
てきた、福島原発の再循環系継ぎ手の数が前回発表した数と、一機につき最大で26もの違いが有ったこと。第二原発の説
明に依れば、再循環系の配管の数に、他系統の配管の数を混入してしまった為、との説明だが誤りを発見した経過と、時期
に付いては即答出来ない等未だ釈然としない。
 情報公開は闇の中、安全性も霧の中、視界不良、運転再開には程遠い環境に変化無し。


全てのひび割れ点検が先」県と県議会に要望書
―6.3 福島原発の再稼動を巡って、県内7団体・首都圏4団体が申し入れー

6月3日、県内の7グループと首都圏の4グループの代表6名は、ひび割れ運転再開
問題で県知事と県議会議長宛に要望書を提出しました。
面会した県原子力安全対策グループの村田参事は、「安全と安心の確保のため、議会
・県民の意見を幅広くききたい」とし、県エネルギー政策検討会の「県民の意見の聴く
会を今月中に開く」と応えました。また、県議会議長は当初の予定を覆して面会でき
ず、事務局提出となりました。県内のグループが提出した県知事宛の要望書は、以下
のとおりです。

【資料】
福島県知事 佐藤栄佐久様
   福島原発のひび割れ問題と再稼動についての要望書
要旨
1、情報公開 

 1)福島県は、国と東京電力に対し、原子炉内のひび割れに関する検査や調査情報など全ての情報公開を求め、随時、開示情
  報を福島県ホームページ等で公開すること。
 2)福島県は、県民レベルでの情報公開と安全確認の保証として、広範な県民参加を保証した「県原子力情報会議」を設置す
  ること。
2、安全確保をめざす県民益
 1)福島県は、国と東京電力に対し、福島第一原発6号機の再循環系配管継手のうちSUS316L材未点検部分2箇所およびSUS
  304材(SCC対策有)の未点検部分134箇所を点検するよう求めること。
 2)福島県は、国と東京電力に対し、福島第一原発6号機の再稼動は、9月実施予定の第18回定期点検を前倒し実施し、安全を
  確保してから行うよう求めること。
 3)福島県は、国と東京電力に対し、福島第一原発3号機の再循環系配管のうちSUS316LC材継手40箇所、SUS304LC材104
  箇所(SCC対策有)のうちの未点検部分について点検するよう求めること。
 4)福島県は、国と東京電力に対し、「電力の自主点検」でひび割れを確認しながら「国定期検査」で「異常なし」とした、福
  島第一原発3号機の再循環系A系入口付近溶接部FWRSA-2及びB系入口付近溶接部FWRS1-B-2の第13回定期検査時の「異
  常なし」報告について、実測値の報告と改ざんの有無について調査を求めること。また、福島第一原発1号機A系入口1-W-02、
  福島第一原発4号機A系入口1-FW-13、福島第一原発5号機B系入口W-R5-B3-13、福島第二原発3号機B系入口661-101
  -F05、福島第二原発3号機B系入口661-B06-S02、福島第二原発3号機B系出口661-101-F08についても、同様に調査を
  求めること。
 5)福島県は、国と東京電力に対し、再循環系配管継手のうち過去5年間(4定検分)に行われた定期検査により、ひび割れが見
  つからなかった箇所についても、一斉点検するよう求めること。
 6)福島県は、国と東京電力に対し、原子炉の高経年化対策のとして、SUS316LC材応力腐食割れの発生・進展メカニズムの解明
  を行い、対応策を確立するよう求めること。
 7)福島県は、国と東京電力に対し、定期点検期間短縮の是正をはかるよう求めること。
 8)福島県は、国に対し、原子炉の耐震設計基準の見直しを求めること。
3、県民合意
 1)福島県は国と東京電力に対し、不正防止対策と原子炉内のひび割れ問題について、県民の理解を得るために、県内各地で説明会
  を開催するよう働きかけること。
 2)福島県は、国と東京電力に対し、理解活動の一環として、原子炉内のひび割れ問題と原発の安全性に関する市民との討論会に応
  じるよう働きかけること。
 3)福島県は、ひび割れ問題と原発の再稼動に関する「県民の意見を聞く会」を開催すること。
 4)福島県は、個別原子炉の再稼動について、原子炉内のひび割れが全て点検・補修されたことが確認され、県民合意が得られたと
  判断されるまで、態度を留保すること。

理由
1、東京電力の再発防止対策の空文性

 東京電力は、不正事件の再発防止対策として、情報公開や社内体制など企業体質の改善をあげています。しかし、5月に入り、2月
に発生した福島第一・3号機での保安規定違反がまた明らかになりました。これは、検査作業時に制御棒をロックせず安全装置を外し
たままを行ったというもので、原子炉等規正法に基づく保安規定についての基本的かつ典型的な違反行為です。東京電力は福島県の口
頭注意に対し、「保安規定違反とは考えていない」と開き直りました。また、ひび割れが多発している再循環系配管の継ぎ手数は、東
京電力の本年3月と5月の公表値に最大で1プラントで26個所もの相違があります。不正のそもそもの原因となったのが、ひび割れの
隠蔽にあったことからも、管理する継手数の相違は、基本的な安全管理のあり方の問題として、重要です。東京電力の体質は、依然、
改善されておらず、再発防止対策は空文ではないかという声が広がっています。

2、国による安全保証は不十分
 国は「首都圏大停電」を喧伝し、電力危機は福島県や地元のせいだと言わんばかりです。しかし、ことの原因は、ひび割れを隠蔽して
不正を行った東京電力とそれを見逃した国にあります。周知の通り、不正事件に対する国の規制当局としての責任の取り方は甘いもので
した。安全保証体制も、安全規制を推進から分離して独立させ、公正取引委員会並みの行政委員会を創設する等の根本的改革を行わない
まま、小手先の組織いじりに終始しました。また保安院は、再稼動を急ぐあまり、健全性評価小委員会の結論も出ていないのに、あたか
も委員会が健全性を確認したかの如く各地で説明しています。国の安全保証体制は、第三者機関の検証もなく、精度の低い検査データを
もとに配管の健全性を5年間と強弁するもので、何としてもひび割れ運転を強行しようというもので、かえって原子力行政最大の不安要
因になっています。福島県が、現状のまま「国の安全宣言を条件に」再開容認では、安全確保上、国への白紙委任となり、県民の多くは、
危険で無責任な行為と見るでしょう。万一の場合、未必の故意に問われる可能性もあります。福島県の賢明な判断と対応を期待するもの
です。

3、SUS316LC材ひび割れ未解明と合理性を欠く「安全宣言」
 シュラウドから再循環系配管に至るSUS316LC材の応力腐食割れは、保安院も認めるとおり発生・進展メカニズムが未解明です。原子
炉の安全上重要な圧力バウンダリーである再循環系配管等のSUS316LC材の応力腐食割れについて、技術的に防止対策が確立したとは言
い切れず、安全確保上、重大な障害です。日本初の応力腐食割れ対策材として開発されたSUS316LC材のひび割れは、アメリカに先例が
なく実機からの切り出し部材などの本格的調査が始ったばかりです。国や事業者は、ひび割れ運転しても、シュラウドや再循環系配管の
強度が十分であるとしていますが、ひび割れの深さや進展評価を信頼するには、あまりにデータ不足です。まず、検査精度が問題となっ
た超音波探傷検査の検査精度の向上をはかった上で、再検査を行いデータを蓄積すべきです。「安全宣言」の前に、原子炉の高経年化対
策の一環と明確に位置付けて、SUS316LC材応力腐食割れの発生・進展メカニズムの解明を行い、対応策を確立すべきです。応力腐食割
れを根本的に解決しないままでは、原子炉の安全運転が、絵に描いた餅になってしまいます。現時点での「安全宣言」に、はたして十分
な合理性があると評価できるでしょうか。

4、再循環系配管に関する国と東京電力の検査記録疑惑
 再循環系配管のひび割れ検査は、「10年で25%」の頻度で行われていた「国の定期検査」と、事業者が任意に行う「電力の自主点検」
があり、現在実施中の一斉点検では、過去5年間(4定検分)に行われた定期検査により、ひび割れが見つからなかった箇所は、点検の対
象から除外されています。これまでの「再循環系配管のひび割れ隠し」は、「電力の自主点検」で見つけていたものです。検査は、定期検
査も自主点検も同じ検査会社がしています。保安院は、再循環系配管において、国の定期検査で「異常なし」とされたものが、電力会社の
自主点検ではインディケーションを検出する場合があったとし、差異は、超音波探傷試験の方法の違いによって生じたとしています。定期
検査では「斜角法」のみを用い、自主点検では「斜角法」を行った後、ひび割れの疑いがあるものを「二次クリーピング法」という感度の
高い方法で、長さや深さを測り直したといいます。超音波探傷試験の精度問題は、「電力の自主点検」の結果ですが、「国の定期検査」で
は、それより精度の悪い検査方法が用いられていたのです。東京電力によれば、福島第一原発3号機の再循環系A系入口付近の溶接部FWR
SA-2で、第13回定期検査時に「電力の自主点検」で長さ161mm、深さ最大8.6mmのひび割れを確認。同じ第13回定期検査時に「国の定
期検査」も実施していたが、こちらは「異常なし」、という例があります。これは、同じ検査員が、深さ8.6mmのひび割れを確認し、電力
への報告にはそのように記載し、国への報告には「異常なし」と報告していたという事実をしめしています。しかも、問題になっている検査
手法のため、実際のひび割れは10mmを超えていたのかもしれません。ひび割れとして国に報告しなければならないのに、意図的に「異常な
し」と隠したという疑惑です。これは、定期検査の記録上は「異常なし」でも、実際には深さ10mmを超えるひび割れが現に存在する可能性
があることを示しています。今回の一斉点検から除外した箇所にもそのような部位がないとは言い切れないのです。問題は「斜角法」の信頼
性ではなく、「異常なし」とした「記録」の信頼性です。また、柏崎刈羽原発1号機では、過去5年間の検査で34箇所中、自主点検で4箇所
のひび割れを発見、定期検査ではすべてが「異常なし」でしたが、不正事件後の一斉点検では、6割もの溶接部でひび割れが見つかりました。
過去5年間の定期検査結果との比較では、「0対6割」という成績です。過去5年間の検査記録が、そのまま鵜呑みにはできないことは明ら
かです。

5、ひび割れ運転容認と地震対策・耐震設計の矛盾
 5月末の三陸南地震で、東北電力女川原発3号機は、地震加速度225ガルを記録し自動停止したとされます。点検後に、主蒸気系細管の
接合部分で放射能を含む冷却剤の水漏れも発見され、他に、タービン建屋内の圧力調整パネルが開くという影響も出ました。 福島原発は、
双葉断層の上部、国が近い将来マグニチュード7クラスの大地震を予測する「特別観測地域=福島県東部」に位置しています。1920年12月に
は、この活断層の南端部でマグニチュード6.8の地震が発生しており、依然、活動性の高い断層とみられています。1987年の福島県沖地震の
際には、地震の揺れで出力が上昇する、想定外の異常な核反応が起き問題になりましたが、この事態も8年間公表されませんでした。福島第一
は、もっとも古い原発の耐震設計用地震S1=180ガルで設計されています。私たちは、阪神大震災の地震力観測値が、耐震設計基準値をはる
かにこえたため、原子炉の耐震設計基準の見直しを国に求めてきましたが、未だに実現していません。このような状況下で、原子炉の安全上重
要な圧力バウンダリーである再循環系配管や燃料集合体を固定し緊急時のスクラムを行う制御棒を維持しているシュラウド等のひび割れ運転を
容認して、果たして安全なのか。現実の前に、耐震設計基準の矛盾は深まるばかりです。予想される宮城沖地震と福島県沖地震の際、福島原発
は大丈夫か、県民は大きな不安を持っています。

6、地域経済を悪化させた原発の定期点検短縮と地元理解
 立地4町を中心とした地域経済では、東京電力がコストダウンのために定期点検の期間の短縮を行ったことが社会問題化してきました。運転
停止による影響は、補修による人員確保などでコントロールされているといわれますが、定期点検期間が40日を切るまでに短縮されたことで、
電力協力企業やホテル・下宿事業者が恒常的に打撃を受けているのです。東京電力の無理なコスト削減策が地域に打撃を与え、原発の安全性低
下を生み出しており、見過ごせない問題となりました。定期点検期間短縮の是正は、いまや地域の声となっています。一方、立地4町の理解と
合意では、行政区ごとの説明会と議会への説明により、首長が「理解された」と集約しています。しかし、「おわびに反応複雑」と新聞報道さ
れた通り、住民感情は単純ではなく、「理解」が多数を形成しているかは、疑問が残ります。まして、それを「運転再開への合意」と判断する
のは、いささか強引に過ぎます。また、批判派を排除した「地域情報会議」は、情報公開と安全性論議の実効性に乏しいといわざるをえません。
やはり、徹底した安全性論議を行い、それを踏まえて住民の声を反映する手法の確立と実行が必要です。

7、県民の理解と合意
 今日、すべての行政行為は、県民によく説明し協議して理解と合意を得ることが肝要です。しかし、原子力における国と事業者の手法は、相
変わらず、ゴリ押しが目立ちます。東京電力のひび割れ隠し不正が事実の解明を妨げ、全ての前提となる情報公開が不徹底で、かえって疑惑を
残し、原子炉の安全性が担保されない状況です。国の発表にもかかわらず、不正炉をはじめ全原子炉の安全について、国と事業者に対する福島
県民の信頼は回復していません。県民は、安全が確保されていると信用できずにおり、とうぜん安心の境地にはありません。 司法も認定する
ように、原子力発電所は潜在的な危険施設です。福島県がすすめるエネルギー政策の見直しは、核燃料サイクルが行き詰まった現在、その当否
も含め、社会的合理性を備えた原子力政策を求める性格となっています。福島県民は、県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」を高く評価
しております。今般のひび割れ運転問題と再稼動は、福島県が強引に進めるべきものではありません。国と事業者をただし、慎重に安全と安心
を確保して、県民の理解を深めることが大切です。

2003年6月3日
   いわきに風を  原発いらないいわき市民の集い   ストップ!プルトニウム・キャンペーン  脱原発ネットワーク・会津
   脱原発福島ネットワーク   福島原発30キロ圏ひとの会  双葉地方原発反対同盟


被曝労働、長尾さんに労災認定を…5.17原発講演会

■プルトニウムなどα放射能放出の真実
        小山英之さん(美浜・大館・高浜原発に反対する大阪の会代表)

●内部告発による福島第一原発1号機の汚染の実態で、出るはずのないプルトニウム等のアルファ核種が大気中に放出されていたことが明らかに
なった。原子炉建屋内の汚染は、ベータ核種による表面密度が規制値の1.4倍、管理区域内でのアルファ核種の濃度は、規制値の2倍以上で、あき
らかな法令違反だ。下請け労働者は高度の被曝を強いられていた。
●原発の日常の運転では、アルファ核種は出ないことになっており、通常運転中は、希ガスとヨウ素だけが排気筒での常時測定の対象で、原子力
安全委員会が発表している放射能放出量でも、希ガスとヨウ素しか公表されていない。危険なアルファ核種が排気筒内で高密度で検出されたこと
は極めて異常な事なのである。
●これに対し東電は敷地境界での濃度は規制値の「数万分の1」と述べ、保安院は「100分の1」そして規制値以下だから報告の義務はない、さら
に「アルファ核種を一切放出してはならないといことではない」と言っている。
●国は不正事件に関する東電と経済産業省の責任を不問にして、「罰則の強化」でお茶を濁し「省令改訂」として表には出さないやり方で「維持
基準」導入をしようとしている。通常出るはずのないアルファ核種を放出し続けていたことの責任を明らかにすべきだ。

■放射線被曝労働と多発性骨髄腫 =長尾氏労災申請をめぐって=
                   村田三郎さん(阪南中央病院放射線科医長)

●多発性骨髄腫とは、骨髄の形質細胞が増殖する腫瘍性の疾患で、骨髄に局在しながらも骨髄内に多発するために多発性骨髄腫といわれている。
症状は貧血による全身倦怠感等や骨粗鬆症による骨折が特徴的である。
●放射線被曝と多発性骨髄腫の関係―放射線が癌・白血病の発生を誘発することは、多くの被爆者や放射線従事者に関する疫学的研究で明らかに
なっている。広島・長崎の被爆者に骨髄腫の発生率が多いことからも、放射線は遺伝子異変の最大の物理的要因である。
●累積被曝線量が50msvを超すと多発性骨髄腫の発生率が高まり、累積被曝線量が同じでも、高年齢になって被曝線量が増えた労働者は、若い時
期に被曝線量が多かった労働者に比べ発生率が高い傾向があった。
●長尾氏が羅患した多発性骨髄腫は原発内での被曝労働が原因である。
●長尾氏が1977年から1982年1月まで放射線作業従事者として被爆した集積線量は、合計70msvになる。年間被曝線量は、当時の放射線作業従
事者の平均被曝量の最低1.5倍から最大3.5倍であり、白血病で認定された5人の年平均被曝線量を超え、当時の他の放射線業務従事者よりも多くの
放射線被曝を毎年のように受けていた。
●アメリカDOE関連施設労働者の疫学調査とその救済策に関するクリントン/ゴア調書の保障のための3条件は
1.その労働現場で癌がSMRで有意に高い頻度で発生していること。(SMR=標準化死亡率が高い)
2.被曝をする労働現場で働いていたこと  3.被曝が原因で生じる癌に罹っていること
●反省点として生まれた3条件は、発癌者・癌死者が、放射線被曝以外の原因で発生したとどうやって証明できるのか。被曝線量の測定や保存が不
適切で、データそのものが残っていないという不公平がある。一人一人の癌死が被曝に起因することを証明しようとするため、稀極めて厳格な高い
線量基準を設定してきた。日本の労災・認定行政はこの原則に立ち戻るべきである。(戸田記)



く ぬ ぎ 平 た よ り
第33回 
連絡手段?

           古川眞智子 

●5月中の台風の本土上陸は昭和26年からの観測史上3度目に早いとか。そんな
中、戸渡の森での音楽会が開かれた。天気予報を見ると午前中は曇りマーク、午後3
時からは雨マーク。今回、私は視覚障害の方の案内を頼まれていた。コースの中には
道幅が狭く脇は沢、しかもさえぎるものなくなく一気に5メートルぐらい落ち込んで
る所があったので思案していた。事前の連絡では登山経験も在るとの事で、まあ、時
間さえあればどうにかクリアーできるかなとは思ったものの、約束の時間になっても
来ない。結局1時間も遅れ、しかも足元を見ると革靴やパンプスの人も…。事前の連
絡のミスが重なったらしい。責任問題もあるので、世話人さんに
雨上がりの狭い山道で、危ない個所もあることを了解をしてもらってからの出発と
なった。
●私のグループは付き添いの方を混ぜて9人、みんな明るい方ばかりで少し安心。少
し見える方からは、ばんばん質問が出る。それを全員に解かってもらうには…。危な
くない所まで誘導して触ってもらったり、説明で補ったりしながら案内していった。
●雨上がりの林の中に、グループ毎にシートを敷き、音楽会は始まった。オカリナや
シンセサイザーの音に静かだった森の中の鳥たちが一斉に反応し、小鳥の合唱がお
こった。初めての経験だった。雨の心配があった為、演奏そのものはそう長い時間で
はなかったが、悪路の苦労が吹き飛んでしまうようなひと時だった。私も案内人を忘
れ、思わずリズムに合わせて身体が踊り出してしまうような楽しい音楽会だった。
●ところで、話しは戻るのだが、5月の26日に大きな地震があった。時刻は6時半
近く、電話している時だった。今回の地震はグラッ!っと来たのではなく、優しい大
揺れ?だったので、パニックにもならずに戸を開けて対応することができたが、問題
はその後の通信網だ。当然の事ながら遠くに住んでいる子供の安否確認の電話をす
る。余計な電話は控えてとは言うものの親だったら子供に「大丈夫だったか?」の一言
は掛けたくなるのが心情だ。それが一切通じない。携帯はもちろんの事、家の電話、
Eメール、Cメール、何も繋がらないのだ。パンクしないように、緊急事態で、85
パーセント回線をカットしたと聞いたのはだいぶ経ってだった。しかしそこまで規制
されてしまったら、なんの為の通信手段なのかわからない。
●だいたい家族割りだの写メールだの売るためにあの手この手を使って消費者をあお
り、肝心の時にはなんの役にも立たない!これって詐欺じゃない?今、離れて住んで
いる子供の所は携帯しかない。しかも、娘は東京のど真中で暮らしているんだぞ!
●そしてなんともいやらしいのは電話回線がパンクするからとの理由で、知らないう
ちに連絡網を遮断されてしまう恐ろしさだ。…家にいる家族で話し合った。これで通
信手段は全く機能しない事がわかったが、どこに集まれば良いか?「山の家?」「あ
そこは行くまでに土砂崩れで行けなくなるぞ。」「じゃ、月見町」「う〜ん」答えは
出なかった。こっちに逃げてきた所で原発がドーンといけば逃げてきた甲斐がない訳
だし…。「連絡はいいから1人で逃げろ!」「どうにか、生き延びろ!」平和といわ
れ、ハイテクといわれている日本の平凡な家族が、こんなサバイバルな話しを…。
●そんな話しをしてから、10日後の6月6日、ついに有事関連法3法が成立してし
まった。しかも234票の内202票が賛成。それが我々の選んだ議員が出した答え
なのだ。戦後10年、20年…と数えているうちに、いつしか「60年も戦争が無い
なんて…。」と言う見方に変わってきてしまったのでないだろうか。
●…5月15日に「人間の盾」としてイラクに行っていた相澤さんの報告会を聞いた
その時、私達の周りには戦争体験者がまだいるのにどうして戦争に反対しないのだろ
うか、戦争の悲惨さを語らないのだろうかと強く思ったのだが、こんなにもすんなり
と有事法が通ってしまった。…どんな道を歩み始めたのかを考えないのだろうか?…
真綿で首を絞められている事にも気がつかないのだろうか?



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