★原発のない社会を目指すネットワーキングニュース★

アサツユ

☆1998/6/10 第83号☆

印・パ核実験、再処理をやめ、核の連鎖を絶とう!

今こそ、プルトニウム利用を止めよう!

●インドとパキスタンが核実験を行い、核不拡散条約体制が崩壊しました。原子力の平和利用の名のもとに行われてきた原子力の技術移転が核兵器の製造を可能にし、核が拡散しています。

●東京電力は、福島原発で使うプルトニウムをベルギーのペルゴニュークリア社でMOX燃料に加工しています。この会社こそ1988年にパキスタンにベルギー経由で核兵器用高濃縮ウランが転売されたときに問題になった核燃料会社です。パキスタンの各開発と関係しているのです。下図、広瀬隆さんが作成した「インド・パキスタンの核開発と日本のプルトニウムを御覧下さい。被爆体験を持つ日本の市民としてこの核の連鎖を見過ごせません。使用済み燃料の再処理によってプルトニウムが生産されています。プルサーマル計画はプルトニウムの消費どころか新たな核拡散、核疑惑を呼び起こすものです。

●プルサーマル計画について、4月、国と東電は矢継ぎ早に説明会や討論会を開きましたが、県民の理解や同意を得るには程遠くまだまだ未解決の問題だらけです。県は国もバックエンド対策の系統に注目しています。佐藤知事は7月に核燃料サイクル懇談会を開き国側を呼んで回答を聞き、今後の対応を判断するとしています。自民党県連は、6月県議会で原発立地地域振興の特別措置法制定を国に求める県議会決議をしようとしています。核の管理を地域振興にすり替えられては大変です。再度、国民的合意とは何か、プルトニウム利用の包括的検討と県民的理解のため何が必要か明らかにされるべきです。知事の同意とともに県民の同意を議会の同意にすり替えられぬよう、プルトニウム利用を止める県民の力を集めましょう。みんなで知恵を出し合い、行動を起こしましょう。

インド・パキスタンの核開発と日本のプルトニウム


やっぱり、プルサーマルは止めよう!

使用済み核燃料・核のゴミを考える住民シンポジウム開く

 5月30日、富岡で核のゴミが集中しようとする青森県六ヶ所村や原発の立地住民に、消費地など各地の人々が集いシンポジウムと核のゴミが日本に大量に帰ってくる。処理と管理貯蔵、日本の核燃料サイクル政策自体の見直しが必要になっている。

各パネリストより問題提起

●平野良一(青森・核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団・元波速町町長)

 六カ所の低レベル貯蔵施設の10万本の固体廃棄物のうち4万本が福島第一原発の廃棄物だ。高レベル廃棄物は7万本ものガラス固化体が運び込まれようとしている。

 核のゴミについて「青森に持ってけ、サイトに持ってけ、何もないところはいらない」と、三すくみの運動にしよう。お互いに主張して困らせる必要がある。今、国も電力も困っていない。電力を困らせ国に責任をとらせよう。

●武本和幸(新潟・柏崎原発反対同盟・刈羽村議会議員)

 原発は「トイレなきマンション」が現実になった。柏崎1号機は13年目で使用済み燃料プールが満杯になり空いている6号機にうつす羽目になった。ゴミを誰が管理するのか、将来へのツケを残す。

 柏崎原発は、この1年間で4回事故を起こしている。定期点検を90日から42日に短縮しているためだ。安全より、定期点検で発電しないと2億円損するからと言う経済効率優先の発想だ。しかし結局は事故を起こして停止してしまった。

●石丸小四郎(福島・双葉原発反対同盟事務局長)

 双葉と福島県民にとってプルサーマル計画とは何か。何をもたらすのか。日本の原子力発電政策は国民の公益性が欠如している。プルトニウム利用の包括的評価がなされていない。結局、マイナスのみしかない。

 こうした中でも原発立地点の住民意識は確実に変化してきていることが感じられる。

●アイリーン・スミス(京都・核のゴミキャンペーン)

 アメリカはMOX燃料輸送について、パナマ運河を通さないと言っており、核防護上輸送船に護衛艦を付けろと日本政府に要求している。このMOX燃料輸送が今後大問題になる。

 今まで日本の原発がスムーズに運転できたのは、再処理を海外に依託していたからだ。つまり、ゴミ問題を先送りにしてきたから。

 インドとパキスタンの核実験があったが、注意しなくてはいけないのは日本が再処理を依託しているフランスのコジェマ社は民生用も軍事用も合同だ。各産業は同一と言うことだ。

討論:国のバックエンド政策をめぐって

●平野良一

 東電の荒木社長は高レベル廃棄物懇談会で「電気事業者でありながら、こんなに大事な問題であることをはじめて知った。原子力を始めた当初は高レベル廃棄物は一生使っても豆粒ぐらいと思っていた」と驚くべき発言を5月24日にしている。地域エゴをぶつけ合ってやるべきだ。地域での議論を大きく。

●武本和幸

 電力業界紙では「使用済み燃料の管理を国に移管したい」という電力業界側の発言も出、矛盾が出始めている。地域の声を顕在化できないか。

●石丸小四郎

 東電は「2010年以降サイト外貯蔵の条件整備」と説明してきた。廃棄物問題は地域の問題でなくなった。


地球にクサビを打ち込む高レベル核廃棄物

 核のゴミを考えて    小楠博子

 核のゴミキャンペーン(1部)「やっぱりプルサーマルは止めよう!使用済み燃料の・核のゴミを考える住民シンポジウム」(2部)に参加した方にその感想をお聞きしました。

●いわきの戸田貴代小さんです。

 「住民シンポジウムのパネリスト4人のお話内容は解りやすく、聞いている側に素うーっと入ってくるものでした。石丸さんのお話はご自身の福島にいらした経過なども交えて、親しみやすく、聞きやすかったです。こういった会合をいわきでも行ったら、もっと多くの人たちに解りやすく聞いてもらえるのではないでしょう。」

●参加できなかった下山田さんにも核のゴミについてどう思うかうかがいました。

 「核ゴミから核弾頭が思い浮かびますね。よそにそのゴミを預けていたということがイヤよね。人間の短絡的かつ安易な生活の果ての産物でしょう。結局今ある核のゴミはどこにも動かさないでほしいですね。それと、市民運動が結集を急いでいるような気がして、もっと時間を持って一人ひとりと話ができるといいのに。」

●私は住民シンポジウムのみの参加でしたが、その感想は、・・

 青森の平野さんの提案:青森(六カ所)、立地自治体、との地域がそれぞれ地域の利益(意見)を押し出して、真っ向から意見を言い合う。それによって三すくみの行き場のない状態を作り出す。シュミレーションしてみると面白いなって思った。いろんな条件を入れてどうなるか、少し時間をかけてやってみると興味深いたたき台になるのでは。

 新潟の武本さんのお話:立地町に留まり続ける核のゴミは全国に知らしめる良いチャンスではないか、との背水の陣をしいて闘う姿勢を県がしっかりと受けとめてくれればよいなと思う。

 石丸さんの御当地、福島原発立地町の現実はうーん。でも、ゆっくりとした住民の心の変化は、“やって良かった”と思えるものだ。

 京都のアイリーン・スミスさんの話:「アボリジョン2000のアリス・スレーターさんは原発=Bomb Factryとはっきり言っている。」は現在の世界情勢を端的に表していると思う。日本の表に立つ人たちは原爆にはそれなりの反応を示すが、原発には穏便だ。あるいは意識的にごまかそうとしている。

 再処理依託しているフランスのコジェマ社は軍事・民間両方の核産業で日本の核廃棄物はフランスの外貨稼ぎのトップだそうだ。ここの処をしっかり頭に入れて、インドやパキスタンに口を開いた方がよさそうだ。

  人間が地球のエネルギーを急速に使い続けることで、今まで人間が思っていたよりも地球の生命力がどんどん弱体化してずいぶん速く寿命が尽きそうだ。その回復力の弱まった地球の土壌のクサビのように打ち込まれた高レベル廃棄物は、一体何を引き起こすのだろう。


やっぱり、プルサーマルはやめよう!

使用済み核燃料・核のゴミを考える住民シンポジウムアピール

 原子力発電は放射能のゴミを大量に作り出しています。

 原子力発電のウラン燃料には、発電すると大量の放射能がたまります。これが使用済み核燃料で、そのままでは核のゴミです。いま、全国の原発で年間1000トンずつたまり続ける使用済み核燃料があふれ出そうとしています。

 電力会社は、使用済み核燃料をイギリスとフランスに送ってプルトニウムとウラン、その他の高レベル廃棄物に分離する再処理を行ってきました。使用済み核燃料を再処理すると直接処分に比べて6倍の体積の放射性廃棄物が発生します。日本が再処理を依託しているイギリスやフランスでは、環境への大量の放射性物質を放出し多くの被害を出してきました。

 このプルトニウムを高速増殖炉で使う計画でしたが、原型炉「もんじゅ」の事故でその計画も破綻し、プルトニウムの使い道がなく、再処理の必要もなくなってきました。今後は、原爆の材料。プルトニウムと核のゴミが日本に大量に返還されてくるため、その処理と管理貯蔵、ひいては日本の核燃料サイクル政策自体の見直しが大問題となっています。

 96年に出された福島県など3県知事提言は、高速増殖炉「もんじゅ」の事故を受け、国に対し、今後の原子力政策の進め方について「プルサーマル計画やバックエンド対策(使用済み燃料の将来的な貯蔵保管のあり方、高レベル廃棄物処理問題等)の論議と合意形成を図り、必要な場合は原子力長期計画を見直す」ことを求めました。佐藤知事もプルサーマルの前にバックエンド対策を示すように、繰り返し国に求めています。

 福島原発は原子炉のシュラウド交換など老朽化が激しく、ドラム缶で20万本もたまり続ける放射性廃棄物や使用済み核燃料の貯蔵などが原因で白血病で死亡した労働者が労災認定された被曝労働などの問題が山積みしています。

 東京電力は、これまで1870トンの使用済み核燃料を英仏に再利用の依託をしてきたため、2010年までに9トンのプルトニウムや高レベル廃棄物が帰ってきます。この返還プルトニウム9トンを福島第一原発などで消費しようと言うのがプルサーマル計画です。高レベル廃棄物は、青森県六ヶ所村に一時貯蔵されますが、放射能の毒性があまりにも強いため世界的に処分方法がまだ未確立で、日本での処分地も決まっていません。

 プルサーマルの使用済み燃料も行き場がなく、国は「軽水炉MOX燃料の再利用も可能な民間第二処理工場の建設計画について、2010年頃に再処理能力、利用技術などについて方針を決定する」。つまり、12年後に方針を決めるとしています。

 プルサーマルの使用済みMOX燃料は、各原発の敷地内で永久貯蔵になる可能性が大きいのに経験がないことは、政府も認めています。安全な処理方法もないまま核燃料サイクル計画を強行しようと言う、実にいい加減な話です。

 東海原発の廃炉解体が決まりました。原発に総発電量の3割を依存する今の体制を維持したら、100年後には一体いくら使用済み核燃料が発生するのでしょう?プルサーマルや増設計画など国や電力の強硬姿勢が目立ちますが、今こそ、100年後を見越した原子力発電について国民的議論が必要なときです。

1998年5年30日   


インフォメーション

■東京電力株主総会

 6月26日(金)午前10時30分 東京、日比谷公会堂

■100万V送電線 収容委員会現地調査 

 7月13日(月)午後2時20分 福島県棚倉町玉野

■100万V送電線 収容委員会第1回公開審理

 7月14日(火)午前10時〜午後4時 棚倉町文化センター

前のページに戻る