2000年1月14日
通産省質源エネルギー庁
通産大臣 深谷隆司殿
東京電力が1999年9月21日に通産省に提出した「福島第一原子力発電所3号機並びに柏崎刈羽
原子力発電所3号機用MOX燃料品質管理データの確認結果について」(以下「報告書」)の記載
事項について多<の疑義がありますので、以下質問を添え、誠実に回答されるよう申し入れます。
(申し入れ団体) 原発反対柏崎刈羽地区地元三団体
ストップ1プルトニウムキャンペーン(福島)
原子力資料情報室
質問事項
1、基礎的な数値の確認について
(1) BN社において製造されたペレットは総数、福島第一原発3号機(1F3)、柏崎刈羽原発3号機
(KK3)、それぞれいくつか。余分に製造されたペレットはないのか。
(2) 報告書では1F3は燃料棒1482本で燃料集合体32体、KK3は同1388本で28体を作成したと
書かれている。燃料集合体を本数で割ると、1F3では1482/32=46.3本、KK3では1388/
28=49.6本となる。MOX燃料1体は燃料棒60本で構成され、48本がMOX燃料、12本がウ
ラン燃料と説明されてきたが、この数値の違いはなぜか。MOX燃料集合体に含まれる燃料棒
の構成は、それぞれどうなっているのか。
(3) 焼結されたペレットは通常つづみ型をしているため外径研削によって規格に適合させていく
ものと聞いている。BN社では通常、焼結後の段階では20%から30%の規格外記が発生して
いたという情報もあるので、BN社の焼結方法、外径研削の有無、外径研削の方法(湿式か乾
式か)などを、通産省はどのように把握していたのか。
(4) BN社では、製造ラインの工程終了後、品質保証の検査に入る前の段階での規格外品発生率が
通常の実績として何%であったか。
(5) 1F3とKK3で、それぞれ検査のための抜取率が異なるのはなぜか。
【参考】
| BN社検査 | 1F3 | KK3 |
| ペレット外径検査 | 0.66%(2852/43万) | O.74%(3021/41万) |
| ペレット外観検査 | 3.91%(16836/43万) | 3.69%(15146'41万) |
| 東京電力再検査 | 1F3 | KK3 |
| ペレット外径検査 | 15.7%(448/2852) | 30.2%(912/3021) |
| ペレット外観検査 | 10.4%(1751/16836) | 16.7%(2527/15146) |
2、ベルゴニュークリア社(以下「BN社」)の品質保証について
(1) MIL-STD-105Dまたは、それを基礎としたJISZ9015は計数調整型1回抜取検査方式を規定す るものである。BN社の用いている品質管理方式は、ロットの大きさ7000個に対し、サン
プル数32個の0/1判定だとされるが、これは特別検査水準S-4のサンプル文字Gに相当し、
AQL(不良率)=0.4%と推定されるが、これに相違ないか。
(2) AQLが0.4%という小さな値になっているということは、BN社の不良率がこの程度以下であ
ることを前提としている。今回の東電用MOX燃料ペレットはプルトニウム=化度がBN社で
は過去に取り扱ったことがないほど高いものであり、これほど不良率が低いということを通産
省はどのようにして確認したのか。
(3) 通産省がBN社の過去の不良率の実証データを保有しているなら、それを示していただきた い。
(4) 通常は通常検査水準口の並み検査で抜取検査方式を設計するが、BN社があえて特別検査水準
S・4を選択した理由は何か。(ちなみにBNFL社では、約37。。個のロットサイズに対して通常
検査水準、サンプル数=200、AQL=1%、並み検査の5/6判定で、よりきつい検査の3/4
判定を併用している。)
(5) サンプル数が少ない場合には、サンプリングのランダム性(無作為性)がより重要になるが、
BN社はどのようなサンプリング方法を用いたのか。
(6) 実施した0/1判定の抜取検査で不合格ロットが一つも出ていないというのは、確率統計的に
は極めて奇妙である。柏崎刈羽3号機で3021個、福島第一3号機で2852個のサンプリング
をして、その不良率が0.4%の場合、全部が合格する確率は(1-0.004)の5873乗、つまり、
6xE-11であり、これは無限にゼロに近い。この点について通産省はどのような統計学的検討
を加えたのか.
(7) BN社には全数測定を行なうラインと100個中1個の抜取測定を行なうラインの二つがあると
しているが、それぞれ何万個の東電用MOXペレットを製造したのか。そのうち柏崎刈羽3号
機分と福島第一の3号機分とは、それぞれ何万個で、それぞれの工程不良率はいくちか。
(8) 過去における、この両ラインの工程不良率の実測はいくらか。
(9) 両ラインで想定される工程不良率から判断して、サンプリングした5873個のすべてが検査に
合格する確率はいくらと推定されるか。この推定の上で、通産省は東京電力の「報告書」を妥 当と判断したのか。
3、ペレットの不純物について
(1) 報告書の最終段階で、ペレットの不純物についてのグラフが削除されたが、通産省が削除を
妥当とした理由は何か。
(2) MOX燃料ペレットの不純物について安全審査ではどのような検討を加えていたか。
(3) 報告書では不純物の設計仕様にういて何の記述もなく、ドラフト段階のグラフにおいても単
位も上限値の数値すら書かれていない。検査の上限値を設計仕様よりはるかに高く設定すれ
ば、どんのものでも検査をパスできるが、そういう不正が行なわれていないことを通産省は
どうやって確認したのか。
4、 東京電力の再検査について
(1) これまでの東電と国の検査内容と検査担当者を時系列を追って示していただきたい。
(2) 通産省が東電に指示した再検査の内容は。
(3) 東京電力が品質保証の検証のために依頼する第3者機関はどこか、通産省は承知しているか。
以上