2003年2月6日のニュース

 難病を抱えながら講師活動

いわき市四倉町駒込字棚橋の鈴木千絵さん(20)は先天的な難病を抱えながら、折り紙制作に打ち込んでいる。現在は講師の資格も持ち、市民に折り紙の魅力を伝える活動をしている。また自らも研さんを続け、4月には作品展を開く予定だ。「折り紙は心の支え」と笑顔で話す千絵さん、今日も色鮮やかな折り紙を前に、挑戦を続けている。 千絵さんの病気は骨形成不全症、非常に骨が折れやすく、誕生の時に既に5本が折れた状態で生まれてきた。折り紙との出合いは平養護学校中学部1年の時だ。千絵さんは小学校から高校までを、同養護学校で学んだが、中学に入り校内でいじめに遭い、悩んでいた。そのころ小学部時代の恩師が「折り紙」を勧めてくれた。すぐにその魅力のとりこになり、以来ずっと続けている。高等部3年のときに、日本折り紙協会いわき支部「いわきおりがみ会」(近山由美子代表)に入り、ほどなく講師の認定を受けた。現在、鈴木さん宅には随所に、千絵さんのぬくもりいっぱいの作品が置かれている。  今は市内の小学校や温泉旅館に出向き、折り紙の楽しさと奥深さを伝えている。またタウンモールリスポ内のおおみ北川、いわきサティ内スタジオココといった店にも、千絵さんの作品が飾られている。「折り紙は心の支え。つらいことがあっても一心に折っていると気持ちが落ち着く」と話す。そして「折り上げるとすっーと心が和み、幸せを感じる」と笑顔を見せる。  4月中旬からは約一カ月間、平の龍が城美術館で作品展を開く予定だ。「今ならひな人形、夏にはひまわりといったように、季節感あふれる作品を作っていきたい」と目標を話す。会代表の近山さんの指導を受けたり、本で学んだりしながら研さんに励んでいる。テキスト通りではなく、オリジナルのアレンジを利かせ、新しい作品にも取り組んでいる。  家族が見守る中、創作に取り組む千絵さんを、母珠実さん(45)は「高校卒業のときには、コンピューター関係に進みたいといっていたが、体力的なこともあり、折り紙の道を勧めた。今、生き生きと取り組んでいる姿をみると、これで良かったとしみじみ思う」と、優しいまなざしを送る。千絵さん自身も「たとえ病気を持っていても、目標を持っていれば大丈夫。それを多くの人に伝えたい」と話す。  千絵さんは自分でホームページも開き、作品を紹介している。ホームページ名は「折り紙美術館」。ヤフーからの検索でアクセスできる。