◇◇ 会津駒ヶ岳 ◇◇    平成11年7月18日(日曜日) 雨     
 

 前日は好天に恵まれた尾瀬沼だったが、夜半から降り出した雨はやむ気配が
無い、それでも雲は高く山の尾根が少し見える位なので、あまりひどくはならない
だろうと覚悟を決めて宿を出る。

 林道終点まで5分ほど車で入ると、既に15台ほどの車が停まっている。車を止め、
合羽を着込み出発、階段を登って樹林の中に入って行く、最初からやや急な登りで
ペースを抑えて黙々と高度を稼ぐ、この辺りは花も見られずただ登るのみ。
 40分ほど登ると営林署の看板の前でようやくイチヤクソウ の花を一輪みつけ
ほっとして、休憩をとる。
 
 ギンリョウソウが笹の陰に白く浮き出ているのを見ながらさらに10分ほど
登るとわずかだが展望が望めた。
雨が降っている割には思いのほか展望が利く、水墨画のように山の尾根が連なり
霧が、谷を埋めている。
 昨日、天気が良かったせいか、雨が降っていても足下は滑ることなく
しっかり歩ける。
 樹林の中を登り続けると、徐々にブナが中心の森からオオシラビソ等が
混じるようになる。

 水場への分岐点でようやく行程の半分。4人が休憩している横を通り少し下って
水場へ、崖からしみだす湧き水があり小さい沢をつくっている。
 ちょうど500mlのペットボトルが空になったので補給をし、又、登り始めると
程なく右側に頂上と東に続く尾根が見えた。

 頂上まではまだだいぶある感じだ。
 傾斜もやや緩くなり、足下は所々ぬかるみもでてきた、このあたりから
左右に花がたくさん顔を出してきた、イワカガミ、ミツバオウレン、
アカモノ、ツマトリソウ等々、

マイヅルソウの葉が雨に濡れてきらきらと
輝いているようだ、写真を撮りながら進むと木道となり前が開けた。

 
駒の小屋と頂上をバックに記念撮影、ここから頂上まで階段状になった
湿原の木道を進む、サラサドウダン、イワイチョウ、イワカガミ
それにチングルマなどがあちこちに群落をつくっている。
 駒の小屋の池のまわりにはハクサンコザクラが咲いている、 「満開まではまだ少し
早いようだ」と隣の方が話していたがピンクの花が可愛らしい。
 池の横にあるベンチで、早めのお昼にする。

 一息ついて最後の登りに向かう、湿原を越え低い樹林をぬけると頂上に
出た。あまり見晴は良くない、木々の間から燧ヶ岳が望める。

 記念写真を撮って早々に、中門岳(ちゅうもんだけ)への道に降り出すと
すぐに中門岳へ続く尾根が見渡せた。風にのって雲が尾根を越えて流れ
視界が開けて行く。

 最初の鞍部まで降り左を見れば、燧ヶ岳と平ガ岳の大きな山容が望め、振り返ると
東へ続く稜線の先に三岩岳(みついわだけ)が見える。
 時間的にきつくなるので、残雪脇に咲くショウジョウバカマを見て
引き返すことにする。
 
 頂上から小屋へは滑りそうな木道に気を付けながら下る、今度は燧ヶ岳
から日光白根山がシルエットのように見えてきた、男体山の辺りはぼんやりとだが
いくつかの連山のように見える。
 燧ヶ岳と白根山の間に、左側が切れ落ちたように見える特徴のある山が
見えた。
 雨の中これだけ見えれば上出来であろう。

 下りは一日中降っていた雨でだいぶ道が悪くなっている、合羽の裾を泥
だらけにしての下りとなった。

 予定通り三時前に登山口に着くことができ温泉に入って帰宅の途につく。

***** 行 程 **********

 7:20 宿
 7:35 登山口出発      標高1100m
 8:20 営林署カンバン
 8:30 最初の見晴ポイント
 9:30 水場分岐           1600m付近
 
 11:10 駒の小屋(昼食)     2050m 
 11:40   〃
 12:00 頂上           2130m
 12:20 尾根上の残雪(引き返し)
 12:40 駒の小屋
 13:40 水場分岐
 14:40 登山口

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