☆鉄兵伝説☆
学芸会
俺が中学校の時、近所の子は小学3年生(名前は武史(仮名))であった。
武史の母親に「学芸会があるから見に来てよ!」と言われたので一緒に行った。
武史は、非常に物を無くすので、毎回のように「無くしちゃだめよ!」と言われ。
その日も、「あなたは、すぐにどこかに置いてきちゃうからこの体操袋を離しちゃだめよ!」と言われていた。
俺は、その体操袋に目をやった。
ちょっと大きめの青い水玉の体操袋だ。俺も調子にのって「無くすなよ〜!」と言ってやった。
演劇のタイトルは忘れたが、武史の役は、その他大勢のねずみの役。
演劇が始まり、ちょっとするとねずみの集団がちょこちょことステージ左から飛び出してきた。
俺はどこだ!どこだ!と武史を探した。
武史を発見したとたん。俺は大笑いしてしまった。なんと、水玉の体操袋を持っているではないか。
水玉の体操袋を邪魔そうに持って一生懸命グルグル楽しそうに走っている。
もちろん、他のねずみは何も持っていない。
俺は、笑いの壺にはまってしまって、笑いが止まらない状況の中にいた。
そこへ、武史のお母さんが追い打ちをかける。
「やぁだ、あの子ったら体操袋もったままだわ」。さらに、俺の笑いは増してしまった。
他の客は、何を笑っているんだこいつと思ったに違いない。
武史が、お母さんのところにニコニコ顔で戻ってきた。
本人は、もちろん状況を理解していない。
お母さんは「なんで、体操袋もってたの!」と少し怒った様子で言った。
武史は、「だって、離すな!って言ったでしょ!」と答えた。
俺はまたもや大笑いしてしまった。
素直な子だなぁ。と思いその場を後にした。
あれから10年くらいが過ぎた時、久しぶりに武史に会った。
向こうから声をかけて来た。「鉄兵くん!」
身長が俺よりかなりでかく、ずぶとい声の男が俺の後ろにいた。
すぐには、気が付かなかったが、武史とわかった。
「大きくなったなぁ!」とはいったものの・・・・・・・・
大きいし、声変わりをしていて正直気持ち悪かった。
あんなに小さかったのに・・・・。